Super Takumar

2nd BASEでオールドレンズを買ってきた話

Super Takumar 85mm f1.9

オールドレンズ専門店2nd BASEさんでSuper Takumar 85mm f1.9を購入してきた。

なぜ、2nd BASEさんなのか、なぜ、虹色ボケで有名なSuper Takumar 55mm f1.8ではなくて85mm f1.9なのかを紹介したい。

オールドレンズのメリット

2nd baseさんでの試写(Super Takumar 85mm f1.9)

そもそもオールドレンズって何?という方もいるだろう。

クラカフもオールドレンズを購入したのは今回が初めてで、全くの初心者。

オールドレンズとは、ざっくりと「フィルムカメラ時代に使われていた古いレンズ」と言われる。

フィルムカメラ時代のレンズと言うことは・・・そう!マニュアル・フォーカス

手回しだ。

元々はフィルカメラでもオートフォーカスはあったが、現代のミラーレスに使うための電子接点がない。

そのためオールドレンズを使用する場合、基本的にはフォーカスリングを回して「手動」で焦点を合わせる必要がある。

その代わりに、オールドレンズのメリットとしてはコスパがバグっている。

例えば、ソニーEマウント用の85mm f1.9相当のレンズとしては、Carl Zeissの単焦点レンズ Batis 1.8/85が憧れだ。

お値段は9万5千円強程度。

オールドレンズのSuper Takumar 85mm f1.9なら、お値段は4万5千円前後。

半額以下。

さすがにレンズの王様Zeissと比較すると写りに遜色はある。

それでも、味のある写真が撮れて、Carl Zeissと同じ画角、明るさ(F値)、サイズとお値段もコンパクトなら検討の余地ありだろう。

そして問題の、オートフォーカスについてはマウントアダプターで解決できる。

マニュアル・フォーカスレンズをオートフォーカス化TECHART “LM-EA7”

TECHART LM-EA7

コスパに優れたオールドレンズたちだが、SONYのαシリーズなど現在のミラーレスで使用するにはマウントアダプターが必要だ。

フィルムカメラのマウント(接点)とミラーレスの電子接点では仕様が異なるためだ。

ところが、このマウントアダプター、、、マニュアル・フォーカスレンズをオートフォーカスする製品がある。

TECHARTの”LM-EA7″を間に設置すると、LEICA L/MマントのレンズをSony E-moutに変換した上で、オートフォーカス化できる。

具体的には別記事に譲るが、要はマウントアダプター自体を内蔵モーターで前後に動かすことで無理矢理にでも焦点を合わせてしまう、という技術だ。

まさに力業。思いついた方には、ただただ「ありがとう」と言いたい。

Super Takumar 85mm f1.9やSuper Takumar 55mm f1.8などM42マウントのカメラをソニーのα6400やα6600、α7シリーズに付けたい場合、「M42→L/M」の変換アダプターを噛ませてから、LM-EA7を装着するとマニュアルフォーカスレンズとして使用することができる。

LM-EA7をひとつ持っていれば、様々なオールドレンズをライカMマントに変換した上で装着できる。

言い換えれば、ライカMマウントに変換できるレンズは、全てオートフォーカス化できる。

世界中の歴史的なレンズを、Eマウントのカメラでオートフォーカス付きで楽しめることになる。

ありがとう。

Super Takumar 85mm f1.9

Super Takumarで撮ったパキポディウム・グラキリスの森

Super Takumar 85mm f1.9は、α6400に装着すると(APSC機であるため)画角は1.5倍となり、127.5mmの中望遠レンズとなる。

130mm近い中望遠で明るさがf1.9もあると背景は盛大にボケてくれる。

α6400に装着して撮影するとボケは溶けるようで、f値も1.9なら絞り開放で被写体をちょうどよく整理できる。

40mmや50mmでf1.2という明るさのレンズもあるのだが、さすがにf1.2までいくとピントがカミソリで、絞らないと被写体が認識しづらくなる感覚がある。

f1.9前後は使いやすい印象だ。

普段はα6400の「神レンズ」TAMRON 17-70mm f2.8を使用している。

だが、「もう少しだけ望遠したい」、「少しだけ明るければボケるのに」といった場面がある。

TAMRON 17-70 f2.8は17mmの広角から70mmの中望遠までカバーする。

f2.8通しでレンズ内手ぶれ補正もある。

α6400やα6600などAPSC機には最適解だ。

現状これ以上ないレンズだ。

そして、この17-70mmならば50mm前後の標準画角も十分カバーされている。

α6400/6600ユーザーでTAMRON 17-70mmを所有して満足しているなら、APSC機では中望遠となってしまう55mm(APSC機では82.5mm)や50mm(APSC機では75mm)のいわゆる標準レンズを2つ目のレンズにするメリットは少ないかもしれない。

そんなときに、Super Takumar 85mm f1.9は、17-70mmではカバーできない、「もう少し」中望遠域で、「もう少し」明るいf1.9だ。

SonyのAPSC機ユーザーにとって、標準ズームの次の選択肢として最適な選択肢かもしれない。

そして、Super Takumar 55mm f1.8と同様に、85mm f1.9も後述の「虹色フレア」を発生させることができる。

Super Takumar 55m f1.8

Super Takumar 55mm f1.8

Super Takumar 55mm f1.8は、前述の通りでAPSC機では換算82.5mm相当の中望遠レンズとなる。

もちろん明るい中望遠レンズは楽しいのだが、TAMRONの17-70m f2.8を持っていると、正直、画角的にはさほどの必要性は感じない。

感じないのだが・・・光源が入ると虹色にフレアがボケる。

Super Takumar 55mm f1.8には、この「虹色フレア」という唯一無二と思える特徴がある。

Super Takumar 55mm f1.8の虹色ボケ/虹色フレア

雲間から太陽が出ていたので、カメラの角度を変えながら撮影した。

角度を調整すると光源からきれいに虹色ボケが発生した。

詳しくは別記事で紹介するが、この虹色のフレアがSuper Takumarの特徴だ。

この独特のボケは古いレンズコーティングによるもので、近い名称のSMC Takumar(Super Multi Coated Takumar)では発生させにくい。

購入を検討する際は間違えないように注意したい。

作例の下部には青色のゴーストが出ている。

今回はUrthのNDフィルターを使用しているので、青い色味はNDフィルターの影響も考えられる点に注意して欲しい。

そもそも現在のレンズのコーティングは優秀で、フレアやゴーストは非常に出にくい。

それはそれで素晴らしいことなのだが、フレアやゴーストの入った写真もノスタルジックで「エモい」表現が可能になる。

現在の優秀なコーティングがなされた写真に対して差別化を図るには、ゴーストやフレアも効果的な表現方法だ。

特にSuper Takumar 55mm f1.8はオールドレンズの入門と言われるだけあって、虹色フレア、ゴーストともに素晴らしい印象だ。

執筆時点でSuper Takumar 55mm f1.8は、少し高騰していて1万円強で購入できる。

とはいえ、この表現を1万円前後で手にできると考えるとコスとパフォーマンスは高い。

85mmに続いて、55mm f1.8もコスパが「バグって」いる。

Eマウントで55mm f1.8というと、ソニーがツァイス(Zeiss)のブランドで出している標準単焦点レンズSonnar T FE 55mm F1.8 ZAがあるが、これはやはり9万円強の価格だ。

特徴的な虹色フレアとゴーストが撮影できて、前述のマウントアダプターLM-EA7でオートフォーカス化もできる。

そうなると、Super Takumar 55mm f1.8は、標準ズームレンズでは満足できない方や独特の表現を求める方には是非使っていただきたいレンズだ。

※逆光撮影する際は直接ファインダーをのぞかずに、液晶パネルで写りを確認するなど、目の保護に注意して欲しい。

ただ、Super Takumarはすでに生産されていないオールドレンズであり、必然的に中古市場での購入となる。

中古品の品質は必ずしも保証されないので、購入に際しては注意して欲しい。

なぜ2nd baseさんなのか

なぜ、2nd baseさんで購入したのか。やはり安心感だ。

オールドレンズを購入する方法は、自分の調べた限り主に下記の方法がある。

  • 楽天やAmazon
  • メルカリ
  • Yahooオークション
  • eBay
  • 実店舗

楽天&Amazon

まず候補に挙がるのは楽天やAmazonだ。最近は様々な業者や個人が販売しているし、後者は配送のトラブルも増えているようだ。

筆者も荷物が届かなかったり、違う商品が届いて「大丈夫だろうか?」と心配になるときがある。

とはいえ、家電店が出品している場合は信頼できるだろう。

ただ、楽天やAmazonではオールドレンズの在庫は枯渇しがちだ。

メルカリ

クラカフもメルカリ・ヘビーユーザーだ。

普段は主に塊根植物の種子を購入したりしている・・・鮮度がいつも気になる。

それはともかく、メルカリは基本的に個人間の売買が多くなるため、商品の品質が保証されない。

特にオールドレンズの場合、いくら良品と書いてあっても傷やクモリ、カビなどがある危険性がある。

出品者によってはトラブルを避けるために分かりづらい表現でこれらを暗示している場合もあるため、商品説明は目を皿のようにして隅々まで読むようにしたい。

というのも、クラカフも非常に良い状態と書かれたオールドレンズを購入して、盛大なカビの痕跡を発見したことがあるためだ。

悲しい。

でもレンズに罪はないので大切にしたい。

可能であれば、文字情報だけではなく、レンズ面に光を通して撮影した画像を載せている良心的な出品者から購入すると良いだろう。

Yahooオークション

ヤフオクも基本的にはメルカリと同様の注意点となる。

ただ、ヤフオクの場合は、いわゆる「転売ヤー」に注意する必要があるだろう。

中にはメルカリで出品されている商品を、そのままの写真を使った上で、ヤフオクでさらに高額で出品しているケースもある。

というのも、クラカフがメルカリに出品した商品が、以前そのように扱われていたためである。

オークションという性質上、価格がフリマサイトよりも高額になり得る、という特徴を利用したのだろうが、単純にショックだった。

逆に言えば、一般論としてオークションサイトを利用する場合は、同時に他のフリマサイトもチェックすることをおすすめしたい。

eBay

希少なオールドレンズを購入する場合は、国内のサイトで在庫が確認できない場合もある。

そんなときは、eBayで購入できることがある。

ただ、eBayで購入する場合は、価格に注意したい。

本体価格に国際送料、代行手数料、関税+消費税が上乗せされるためだ。

この記事の執筆時点では円安が歴史的水準に達しているため、海外サイトで買い物をすると高額になって驚くことがある。

国際情勢によっては納期も遅れがちなため、現時点でオールドレンズを購入するなら国内で探した方が良いかもしれない。

実店舗

2nd baseの袋を東京駅のカフェで開封

最後に実店舗での購入について。

安心感

実店舗で購入するメリットは、安心感だ。

なにしろ店舗があるため、不良品や不具合のある商品は販売しづらい。

今回購入した2nd BASEさんも店員さんがメンテナンスする様子も見ることができて非常に良心的だ。

2nd BASEさんを例にとって言えば、商品の問題点についても「カビ」や「絞りバネ」などサイト上でも公開しており、信頼できる印象だ。

試写

2nd baseさんで試写(Super Takumar 85mm f1.9)

実店舗ならではのサービスとして試写させてもらえるのも好印象だ。

店舗に自分の機材を持参すれば、オールドレンズを試写させてもらえる。

店舗内に各メーカーに対応したマウントアダプターが用意されており、購入前にレンズの状態を確認できる。

※すべてのアダプターがある訳ではないないので、気になる方は来店前に確認してほしい。

クラカフも試写させていただき、納得して購入できた。

α6400のようなAPSC機にマウントアダプターで付けるといった少し変わった使い方をする方にもおすすめできる。

2nd BASEさんは、実店舗があるという点でオールドレンズを探している方はチェックする価値のある場所だろう。

店員さんも親切でおすすめだ。

まとめ

α6400で使用するオールドレンズのレンズとしてSuper Takumar 85mm f1.9とSuper Takumar 55mm f1.8の魅力と購入先としての2nd baseさんでについて紹介した。

他にも別途Super Takumar 55mm f1.8やHelios 44 58mm f2.0を購入したので、順次レビューしたい。

オールドレンズが気になっている方には、是非一度2nd BASEさんを訪ねてみてはいかがだろうか。